アドラー心理学の基本前提

アドラー心理学とは何でしょう?

日本では、次の5つを基本前提としてまとめられていることが多いです。「前提」ですから、この5つを満たしていれば、アドラー心理学だといえます。

①個人の主体性
②目的論
③全体論
④社会統合論
⑤仮想論

それぞれについて説明します。

  1. 個人の主体性: アドラー心理学では、個人の主体性と自己の力を重視します。個人は自分自身を制御し、自分の運命を形成する能力を持っていると考えられます。アドラーは、環境や遺伝的要因は重要ではあるけど、その人の人生を決定するありますが、個人の選択や意志、そして目標への向かう力のほうが人生の方向性を決定すると信じました。この視点は、自己啓発や成長を通じて個人がより満足度の高い人生を追求できる可能性を示唆しています。

  2. 目的論: 目的論は、人々の行動はその人の目標や志向によって形成されるという考え方です。個人が自分の目標や理想を持ち、それらを達成しようとすることが重要だとされます。個人の行動や態度は、その人が追求する目標を達成するための努力の結果であり、その目標はしばしば無意識のレベルで形成されます。目的論は、個人が自分の目標を明確にし、それに向かって積極的に行動することで、心理的な健康と幸福を促進することができるという考えを強調します。

  3. 全体論: 全体論は、個人の行動や問題行動を理解する際に、その人自身やその人の生活全体を考慮する必要があるという考え方です。個人の行動や態度は、その人の生活全体に根ざしており、生活のさまざまな側面との関係性を理解することが重要です。個人が経験する成功や失敗、挑戦や困難は、その人の行動や態度に影響を与えると考えられます。全体論は、個人の行動や問題行動を理解するためには、その人の生活全体との関係性を考慮することが不可欠であると主張します。

  4. 社会統合論: 社会統合論は、個人の行動や問題行動はその人の社会的環境や関係性に影響されるという考え方です。個人は社会と密接に結びついており、その人の行動や問題行動はその社会的関係に影響されるとされます。社会統合論は、個人の行動や問題行動を理解する際に、その人の家族、友人、仕事仲間などの社会的関係や文化的背景を考慮する必要があると主張します。

  5. 仮想論: 仮想論は、アドラー心理学の中で重要な概念の1つであり、人々が行動する際にその人の信念や認識が重要であるという考え方です。個人は自分の信念や認識に基づいて行動し、その信念や認識はその人の行動や結果に影響を与えるとされます。仮想論は、個人が自分の信念や認識を変えることで、行動や問題行動を変えることができる可能性があると主張します。

これらの基本前提は、アドラー心理学では人についてどうとらえているかという理論と実践の基盤となり、個人の行動や心理的問題を理解し、支援や治療を行うための枠組みを提供します。
 
 
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